KHS P-20A 16速化
- 2019/06/08
- 08:51
過去記事 “新車(自転車)を買った” で、「手始めに、フロントダブル化」と宣言してから早5か月。
ようやくフロントチェーンホイールをダブルにした報告。
タイトルの通り、この期に及んで態々8速からの改造。
普通なら、この際10速~11速コンポをベースにグレードアップを図るんだろうが、こちらに書いたように、そこにコストを掛ける価値が見い出せないので、敢えて8速ベース。
まー、ケチなだけなんだろう。
それなら、Clarisコンポを追加するだけかというと、古い世代の私としては、スポーツ車(本人はそのつもり)に鉄板のチェーンリングはあり得ない。
ということで、以下のような構成となった。
チェーンリング:シマノSG-X(10速)
フロントディレーラー:シマノClaris
シフター:シマノ SL-M310 左レバー 3S
シフトアウター:GRUNGE
変な組み合わせにしたせいで、余計な手間がかかったのはご想像通りだ。
こういう馬鹿な真似をする人は少ないだろうから、参考にならん記事っぽいが、お暇があればお付き合いいただきたい。
では工程。
≪シフターを付ける≫
グリップをぐりぐりこじって抜く。

実は、この作業までにロックオン式のグリップにしておきたかったんだが、ハンドル幅が560mmもあるくせにライザーバーなので、シフターやブレーキレバーを内側に寄せるのに限度があって、頑張って寄せても長さ125mmのグリップまでが限界。
そのサイズで気に入ったグリップが見つからない。
ということで、こちらで報告した「なんちゃってエルゴグリップ」をそのまま使い続けることにした。
コットンの手触りが好きだし。
シフター。

アウター。

当初、新品のアウターが無かったので暫定的に灰色のお古を使ったんだが、1日走ったら粉を吹き始めた(風化による)ので、急遽購入したのが黒い方。
現在は黒い方に交換済みだ。
シフターを入れてブレーキレバーを取り付け。

このシフターは3段用で、使うのは2段。
どこを使うかというと、「3」(アウター)と「2」(センター)。
リンクプレート間の広い8速チェーンと歯先の薄い10速リングなので、チェーンのブレ幅が大きく、インナー×ローで多少擦れる。
これを「1」(インナー)ポジションを使ってトリムするという作戦。
調子よく機能している。
≪FDを付ける≫
つけた。

こちらで報告した改造をしたものなので、チェーンを切らずに簡単に終了。
≪チェーンリングを替える≫
上記の通り、10速用SG-X。

PCD=130mm、52/39T。
ノンインデックスでよければアウターは純正を流用できるが、インデックスを試したかったので、内外セットで交換。
純正のリングとチェーンガードを取り外し。

元々のチェーンラインがダブルのインナーと同じなので、単純にダブルリングに替えるだけでチェーンラインが出るという楽ちん仕様。
のはずが、10速リングを8速に使用というおかしなことをしているので、

フロント=インナー × リア=トップ のたすき掛けにすると、チェーンがアウターの側面に擦れる。
これ自体対策は簡単で、インナーを裏返すだけ。
つまり、インナーの表面は、スプロケットの歯の部分と本体部分が面一だが、裏面には1mmほどの段差がある。
手元にあれば、現物を見ていただくと分かり易いが、インナーを裏返すと、インとアウトの歯先の間隔が変わる。
言葉だと分かりにくいな。
絵に描くと、

①インナーの段差が外を向くようにひっくり返すと
②インナー/アウターの歯先間距離が拡がる
③チェーンリングピンのナットを沈める座繰りが反対向くので
④ナットの頭が飛び出して
⑤その分、アウターを引っ掛ける突出が無くなる
てこと。
リングを裏返したことで、このようにピンのナット突き出しが足りなくなった。

この状態だと、ピンのボルト側に剪断力(横に切り落とす力)が働くので、ずれたり緩んだりしやすくなる。
たまたま手元に長めのナットがあったので交換。
また、このリングはインデックスなので、アウターの歯に切り欠きがあったりピンが植えてあって、インナーとアウターの位相(円周方向の位置関係)が変わると本来の変速性能が得られない。
リングをよーく見ると、青線の所で歯先が対称になっている。

ということは、この線を中心に反転すれば位相はずれない。
つまり、三角マークをクランクアームの方向に揃えて取り付けるのが正規だが、裏返す場合は青線の対称位置に打った白い点をクランクアームに揃える。
実際に、この付け方でスパスパ変速できている。
ということで、チェーンリング取付完了。

ここまで書いて読み返して気がついた。
シフターにトリムが必要だとか、小細工しないとアルミのチェーンリングが使えないとか…
それだけでも、10速や11速コンポにそっくり替える意義はあるんじゃないか?
≪フロントディレーラーの調整≫
取り付けたフロントディレーラーを上から見ると、

アウターの外面(赤い線)に対して、FDのアウタープレートが斜めっている。
後ろ側が外に張り出している。
このままでもクランクには当たらないし、変速もするが、実質的なストロークが減って、アウター×トップで合わせるとインナー側使用中にチェーンが擦りやすくなる。
詳しい理屈は省略するが、メーカーの取説通り、チェーンリングと平行にしないといけない。
何度も何度も何度も何度も… 締めたり緩めたりした苦労話は退屈なので割愛。
結局、取付ボルトがM5なのに、フレームのFD台座のスリット幅が5.0mmなのが原因だった。
これではいくら押さえつけながらねじを締めても、本締めで斜めった状態になってしまうはずだ。
ということで、ねじの場所に目印を付けて、

やすりで0.8mmほど穴を拡げた。

取付部周辺が傷だらけになっていることで、どのぐらい試行錯誤したかわかるでしょ。
ということで、
≪完成図≫

16速化の効果が充分にあったという話はこちら。
追記:
改造後の重量を計測(by体重計)で測ってみたら、500gr増量の 11.3kg。
ペットボトル1本分増えたけど、私の鈍感な脚にとって、ロー側のギアが増えたことに比べて大した問題ではない。
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ようやくフロントチェーンホイールをダブルにした報告。
タイトルの通り、この期に及んで態々8速からの改造。
普通なら、この際10速~11速コンポをベースにグレードアップを図るんだろうが、こちらに書いたように、そこにコストを掛ける価値が見い出せないので、敢えて8速ベース。
まー、ケチなだけなんだろう。
それなら、Clarisコンポを追加するだけかというと、古い世代の私としては、スポーツ車(本人はそのつもり)に鉄板のチェーンリングはあり得ない。
ということで、以下のような構成となった。
チェーンリング:シマノSG-X(10速)
フロントディレーラー:シマノClaris
シフター:シマノ SL-M310 左レバー 3S
シフトアウター:GRUNGE
変な組み合わせにしたせいで、余計な手間がかかったのはご想像通りだ。
こういう馬鹿な真似をする人は少ないだろうから、参考にならん記事っぽいが、お暇があればお付き合いいただきたい。
では工程。
≪シフターを付ける≫
グリップをぐりぐりこじって抜く。

実は、この作業までにロックオン式のグリップにしておきたかったんだが、ハンドル幅が560mmもあるくせにライザーバーなので、シフターやブレーキレバーを内側に寄せるのに限度があって、頑張って寄せても長さ125mmのグリップまでが限界。
そのサイズで気に入ったグリップが見つからない。
ということで、こちらで報告した「なんちゃってエルゴグリップ」をそのまま使い続けることにした。
コットンの手触りが好きだし。
シフター。

アウター。

当初、新品のアウターが無かったので暫定的に灰色のお古を使ったんだが、1日走ったら粉を吹き始めた(風化による)ので、急遽購入したのが黒い方。
現在は黒い方に交換済みだ。
シフターを入れてブレーキレバーを取り付け。

このシフターは3段用で、使うのは2段。
どこを使うかというと、「3」(アウター)と「2」(センター)。
リンクプレート間の広い8速チェーンと歯先の薄い10速リングなので、チェーンのブレ幅が大きく、インナー×ローで多少擦れる。
これを「1」(インナー)ポジションを使ってトリムするという作戦。
調子よく機能している。
≪FDを付ける≫
つけた。

こちらで報告した改造をしたものなので、チェーンを切らずに簡単に終了。
≪チェーンリングを替える≫
上記の通り、10速用SG-X。



PCD=130mm、52/39T。
ノンインデックスでよければアウターは純正を流用できるが、インデックスを試したかったので、内外セットで交換。
純正のリングとチェーンガードを取り外し。

元々のチェーンラインがダブルのインナーと同じなので、単純にダブルリングに替えるだけでチェーンラインが出るという楽ちん仕様。
のはずが、10速リングを8速に使用というおかしなことをしているので、

フロント=インナー × リア=トップ のたすき掛けにすると、チェーンがアウターの側面に擦れる。
これ自体対策は簡単で、インナーを裏返すだけ。
つまり、インナーの表面は、スプロケットの歯の部分と本体部分が面一だが、裏面には1mmほどの段差がある。
手元にあれば、現物を見ていただくと分かり易いが、インナーを裏返すと、インとアウトの歯先の間隔が変わる。
言葉だと分かりにくいな。
絵に描くと、

①インナーの段差が外を向くようにひっくり返すと
②インナー/アウターの歯先間距離が拡がる
③チェーンリングピンのナットを沈める座繰りが反対向くので
④ナットの頭が飛び出して
⑤その分、アウターを引っ掛ける突出が無くなる
てこと。
リングを裏返したことで、このようにピンのナット突き出しが足りなくなった。

この状態だと、ピンのボルト側に剪断力(横に切り落とす力)が働くので、ずれたり緩んだりしやすくなる。
たまたま手元に長めのナットがあったので交換。
また、このリングはインデックスなので、アウターの歯に切り欠きがあったりピンが植えてあって、インナーとアウターの位相(円周方向の位置関係)が変わると本来の変速性能が得られない。
リングをよーく見ると、青線の所で歯先が対称になっている。

ということは、この線を中心に反転すれば位相はずれない。
つまり、三角マークをクランクアームの方向に揃えて取り付けるのが正規だが、裏返す場合は青線の対称位置に打った白い点をクランクアームに揃える。
実際に、この付け方でスパスパ変速できている。
ということで、チェーンリング取付完了。

ここまで書いて読み返して気がついた。
シフターにトリムが必要だとか、小細工しないとアルミのチェーンリングが使えないとか…
それだけでも、10速や11速コンポにそっくり替える意義はあるんじゃないか?
≪フロントディレーラーの調整≫
取り付けたフロントディレーラーを上から見ると、

アウターの外面(赤い線)に対して、FDのアウタープレートが斜めっている。
後ろ側が外に張り出している。
このままでもクランクには当たらないし、変速もするが、実質的なストロークが減って、アウター×トップで合わせるとインナー側使用中にチェーンが擦りやすくなる。
詳しい理屈は省略するが、メーカーの取説通り、チェーンリングと平行にしないといけない。
何度も何度も何度も何度も… 締めたり緩めたりした苦労話は退屈なので割愛。
結局、取付ボルトがM5なのに、フレームのFD台座のスリット幅が5.0mmなのが原因だった。
これではいくら押さえつけながらねじを締めても、本締めで斜めった状態になってしまうはずだ。
ということで、ねじの場所に目印を付けて、

やすりで0.8mmほど穴を拡げた。

取付部周辺が傷だらけになっていることで、どのぐらい試行錯誤したかわかるでしょ。
ということで、
≪完成図≫

16速化の効果が充分にあったという話はこちら。
追記:
改造後の重量を計測(by体重計)で測ってみたら、500gr増量の 11.3kg。
ペットボトル1本分増えたけど、私の鈍感な脚にとって、ロー側のギアが増えたことに比べて大した問題ではない。
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